タクシードライバーの収入は幅が広い
タクシードライバーの求人情報を見ていると、「月40万円以上の収入が可能!」などと謳われているものもありますが、実際に数10万円の月収を得ているドライバーがいるのに対し、かなり収入の少ないドライバーもいるなど、タクシードライバーの給料や年収には大きな差が出ています。
収入に開きがあるのは、タクシー会社のほとんどが、給与形態に「歩合制」を採用しているから。
売上が多いドライバーほど収入は高くなりますが、少なければその分収入は少ないので、人によって大きな差が出てきてしまうのです。
歩合率の設定は会社によって異なりますが、だいたい60%ほどに設定しているところが多いといわれています。
例えば、1日に3万円の売上をコンスタントに出しているドライバーが月に20日間勤務した場合、3万円×20日間で60万円の売上になり、これに歩合率の0.6を掛けると月収は36万円ということになるわけです。
タクシードライバーの歩合制にはいくつかの種類があり、完全な歩合制は「B型」と呼ばれます。
固定給を設けている会社もあり、固定給の割合が高く、歩合率が低い給与形態を「A型」と呼び、A型とB型の中間の給与形態のことを「AB型」と呼びます。
毎日3万円の売上があれば、ある程度まとまった収入を得ることができますが、やはり売上はよい日もあれば悪い日もあるので、タクシードライバーの平均年収は、ボーナスを含めて350万円から400万円程度といわれています。
法人タクシーは年収アップに上限があるが、個人タクシーは?
歩合制であれば、頑張っただけ自分の収入につながるので、売れっ子ドライバーになればどんどん収入も高くなるようなイメージがありますよね。
けれど、残念ながらタクシードライバーは、月に乗車できる時間に上限が設けられていますので、どこまでも収入を上げていく、ということはできません。
これは個人タクシーも同じで、月の乗車時間が地域によって決まっているので、売上を伸ばすには限界があります。
しかし個人タクシーの場合、自分の売上はすべて自分の収入になりますので、法人タクシーのドライバーと比べるとかなり年収は高くなるでしょう。
個人タクシーはタクシーの車両やメンテナンス費用などの経費をすべて自分でまかなわなければなりませんが、それでも同じ売上の法人タクシードライバーと比較したら、収入は高いです。
腕に自信のあるドライバーは、独立して個人タクシーを開業するという人も少なくありません。
ただし、地域によって個人タクシーの開業条件が細かく定められていますので、それらの条件をすべて満たさないと、個人タクシーの開業はできないとされています。